やわらかな日差しを浴び、色鮮やかに咲き誇る花々がそよ風に揺れ、私達に心地よい香りを運んでくれる季節を迎えました。
今、全世界で猛威を振るい目に見えない恐怖に翻弄され、自然の恵みや人々とのふれあいを制限され、街から、職場から、学校から人が消え、自宅に籠る事を余儀なくされ、物の流れ、お金の流れ、人の流れが止まり、今までに経験した事のない状況が現れて来ています。
今までとは全く違った日常が現れて、今までの何気なく当たり前だと思われた生活が如何に有難く、大切で有ったのかを、人間に気付かせようとしているようでなりません。
近頃も、大雨や猛暑そして度重なる地震にも襲われています。人が一生をかけて築き上げてきた会社や財産、家族なども一瞬で失くしてしまう様な悲しい事もおきています。しかしその様な厳しい中からでも、いつも共通して、「人として大切なものとは何であるか」を問いかけられている様に感じます。
この様な事を書くと、“他人事だから、そのような事が言えるのだ”と叱られるかも知れません。しかし、人はこの世に生まれてきた以上早かれ遅かれ、いつかは必ずこの世からいなくなる存在なのです。
そしてその時は何にも、持って帰れないのです。持って帰れるものは、「自分の心」だけだと思います。だからこそ、人の心の痛みが分かり、人を優しく包み込むような自分になる事が大切だと思っています。
そしてそのような自分に成長するように、今、訓練をしている存在だと思っております。激流の中を角張った石が流れて行けば、角が削られ丸い石になるように。
コロナは大きな痛手では有りますが、私達にこれから人としての本当の生き方に気づかせてくれているのではないでしょうか。